この記事はEffekseer Advent Calenderの12日目です!
RPGツクールMV、もうすぐ発売ですね!もう体験版も出たので、期待に胸を膨らませ終えたツクラーの方々も多いのではないでしょうか。私もぜひ購入して妄想シナリオを形にしたりしてみたいものです。
さてところで、RPGツクールにはスキルのアニメーションを編集する機能がありますね。ここで作ったアニメーションデータを使って、炎の魔法を使ったら敵の位置に炎がボワッと吹き出す視覚演出が出るようにするわけです。しかし、RPGツクールのアニメーション編集機能は、パラパラ漫画のようになっている1枚の画像ファイルが用意されているのを前提にして、それを適切に配置できる機能しかなく、使用する画像ファイルは自分で用意する必要があります。こういった画像を用意するのは普通は簡単ではないですから、多くのツクラーの方はデフォルトで用意された画像を使ったアニメーションや、Webに素材として提供されているものだけを使っているのではないでしょうか。
▲これがRPGツクールのアニメーション編集画面だ!作るのが難しいだけあって沢山のプリセットが用意されている。
しかし!そんなアニメーション画像の作成を助けるツールがあるのです!その名もEffekseer!同人ゲームなどでの利用実績もある無料でオープンソースな視覚効果制作ツールです。
というわけで、今回はEffekseerを使ったアニメーションをRPGツクールMVで使う方法を紹介しましょう。Effekseerの可能性を感じたい人も、RPGツクールの可能性を感じたい人も楽しんでいってもらえれば幸いです。ちなみに、Effekseerでは視覚効果(RPGツクールでいうアニメーション)を「エフェクト」と呼んでいるので、今回はそちらの呼び方に統一します。
概要
- Effekseerのサンプルエフェクトを使ってみよう
- Effekseerの「録画」機能でエフェクト画像を作成しよう
- RPGツクールの素材フォルダ「img/animation」を見つけて放り込もう
- RPGツクールのアニメーション編集機能で読み込もう
- 補完機能で楽に配置しよう
エフェクト画像を作ろう
Effekseerにはサンプル素材としてたくさんの完成したエフェクトが同梱されています。これらのエフェクトは自由に改造するなどして自分のゲームに使ってもよいことになっています(詳しくはreadmeなどを見てね)。Effekseerでのエフェクトの作り方自体は同ツールのマニュアルなどをご覧いただくことにして、Effekseerで作られたサンプルエフェクトをRPGツクール向けにエクスポートしてみましょう。
まずはEffekseerをダウンロードします。先程もリンクを貼りましたが念のためもう一度載せておきますので、まだダウンロードしていない方はこちらから入手してください。→Effekseer公式サイト
ダウンロード・解凍したら、Effekseerのフォルダの「Tool/Effekseer.exe」を起動してください。次のような画面が出てきます。
起動直後はエフェクトがロードされておらず、新規エフェクトの編集ができる状態になっています。今回は自力でエフェクトを作るのが目的ではないので、早速サンプルエフェクトをロードしてみましょう。メニューから「ファイル>開く」を実行し、Effekseerのフォルダから「Sample/05_NextSoft+/HealPotion1.efkproj」というエフェクトプロジェクトファイルを開きましょう。開いたエフェクトはプレビューや編集ができる状態になります。画面左下側にある再生ボタンをクリックするとプレビュー再生ができるので、試してみると面白いでしょう。
▲エフェクト再生の様子。ちなみに、「05_NextSoft+」フォルダ以下のエフェクトは同人ゲーム制作サークル「NEXT-SOFT+ 」さんがEffekseerに提供してくださった素材です。とてもありがたいですね。
それでは、このエフェクトをRPGツクールで使えるように、パラパラ漫画状のpngファイルとして出力しましょう(こういったファイルをエフェクト画像と呼ぶことにしましょう)。メニューから「ウィンドウ>録画」を選択すると、次のようなウィンドウが出てきます。
このウィンドウで適切な設定をすることで、エフェクト画像を作ることができます。それでは設定内容を見ていきましょう。
項目 | 説明 | RPGツクールMVのための設定値 |
---|---|---|
録画範囲 | エフェクト画像の解像度を指定できる項目です。「録画範囲を表示」にチェックを入れるとビュワーで範囲を確認できます。 | 横幅192、縦幅192 |
開始フレーム・終了フレーム | エフェクト録画の開始時間・終了時間を指定します。 | 開始フレームは1、終了フレームはエフェクトの長さと同じにする(今回は80) |
出力頻度 | 何フレームに1コマ録画するかを指定します。 | ((終了フレーム – 開始フレーム)÷出力頻度)が100コマ以下になるように |
出力形式 | 完成するファイルの形式について、エフェクト画像のほかに、GIF形式や連番画像形式を指定できます。 | 1枚にまとめて出力 |
横方向枚数 | エフェクト画像の1行に何コマ含めるかを指定します。 | 5コマ |
背景色を透明にする | エフェクト画像の背景を透明にするかを指定します。 | ちょっと挙動が怪しいので、チェックしないのがよさそう |
これらを踏まえて、次のように設定します。
「録画範囲を表示」にチェックを入れると赤い枠が出てきて録画範囲を確認できます。この枠に合わせて、右クリックドラッグ・ホイールドラッグを使ってカメラを操作することで録画範囲を調整できます。試してみればすぐに分かると思います。録画範囲が決まったら、「録画」ボタンを押しましょう。あとは保存する場所とファイル名を決めれば、そこにエフェクト画像(png形式)が出力されます。今回は次のようなエフェクト画像が出力されました!今回はファイル名を「Potion.png」としました。
背景が黒いですが、RPGツクール側で「加算合成」を使うと背景が透明な感じになります(そしてツクール側はデフォルトで加算合成です)のでご安心ください。
RPGツクールでエフェクト画像を使う
さあ、できあがったエフェクト画像をRPGツクールMVで読み込んでみましょう!まずはRPGツクールMV(もちろん体験版でもよいです)を起動し、新しいゲームプロジェクトを作成します(既存のプロジェクトでもよいです)。するとゲームプロジェクトを管理するフォルダがどこかに作られる(私の場合はマイドキュメントフォルダに「Games」というフォルダができていて、その下にありました)ので、そのフォルダを開き、その下の「img/animation」フォルダを開きましょう。ここがエフェクト画像を入れるフォルダです。先ほど作ったエフェクト画像をここにコピーしましょう。これで準備は完了です。
歯車アイコンのボタンでデータベースウィンドウを開き、左側のタブから「アニメーション」を選択すると、アニメーション編集画面が開きます。そしたら「最大数の変更」をするなどして空のアニメーションデータを作りましょう。空のアニメーションを選択すると次のような状態になります。
「基本設定」の欄を見てください。名前は自由に決めていただくとして、「画像」の欄のボタンのどちらかをクリックしてください。エフェクト画像を選択するウィンドウが開きます。ここで先ほど作ったPotion.pngを選択しましょう。リストに「Potion」という項目があると思うので、これを選びます。
エフェクト画像を選択すると、右下に画像の内容が表示されます。次は「フレーム数」の項目を見てください。ここではエフェクトの再生時間の長さを設定できます。先ほどの設定では「Potion.png」は20コマを含むエフェクト画像なので、今回はこれに合わせて20フレームと設定しましょう(もちろん、エフェクト画像を連続で表示する場合など、エフェクト画像の長さに合わせない表現もあります)。ここまでで次のような状態になるはずです。
あとはエフェクトの配置をすればアニメーションの完成です!フレームごとにエフェクトのコマを配置していくのですが、RPGツクールMVにはコマを一気に配置してくれる機能があります。この機能を使うためには、開始フレームと終了フレームだけ設定する必要があります。フレームの欄のリストから「#001」を選択してください。これで1フレーム目を編集する状態になります。そしたら下のコマのリストから一番左のコマを選択し、中央のプレビュー画面の真ん中をダブルクリックしてください。これで白い枠が出て、エフェクトのコマを配置することができました。もし間違ったコマを配置してしまったら枠を選択して右クリック>削除を実行しましょう。これを最後のフレームでも行います。「#020」を選択し、コマのリストから一番右のコマを選択してプレビュー画面の真ん中をダブルクリック。これで準備完了です。
最後に、補完機能で一気にコマを配置します。右側の「補完…」ボタンをクリックしましょう。補完の設定ウィンドウが出るので、次のように設定します。「セル(プレビュー画面の白い枠のこと)」のところだけ、1番のセルのみを補完する設定に変更しました。
設定ができたら「OK」を押します。これでコマの配置は完了です!「再生」ボタンを押して確認してみましょう。小さくて分かりづらいかもしれませんが、回復ポーションっぽいエフェクトが再生されると思います。拡大率などを弄りたい場合は「一括設定」ボタンが便利ですが、詳細は本稿の範囲を超えるので割愛します。これにてエフェクトは完成です!お疲れ様でした!
おわりに
RPGツクールで使えるエフェクトをEffekseerで出力する方法についてご紹介しました。EffekseerもRPGツクールMVのアニメーション編集画面も奥が深いツールであり、ここでは紹介していない機能がたくさんあるため、使いこなすには慣れがいるかと思いますから、気長に付き合っていくのがよいでしょう。未来のRPGたちが美麗で個性的なエフェクトにあふれた作品になっていくことを祈っています!
ちなみに、うちのサークルNumber-Animalおよびナムアニクラウド制作のゲーム「冒険者は森に強い」「逃亡性痛み症候群」などで使われている視覚効果はEffekseerによって作られています。そう、EffekseerはRPGツクール以外の多くの環境でも利用できるのです!そして、うちのサークルのゲームもよろしくね(宣伝)!!!以上!!!!