“Nippon Marathon”ストーリー感想

おひさしぶりです!ナムアニクラウドです。今のところお伝えできる新作情報はないのですが、今日は最近プレイしたゲームの感想を書いてみますよ。良いゲームを作るには世に出ているゲームについてよく話さないとだからネ!

今回プレイしたゲームはこちら:「Nippon Marathon」!勘違いニッポンを舞台に、怪しい日本語やヤベーデザインのキャラクターたち、意味不明な障害物が登場するレースゲームです。

ゲームそのもののインパクトがもてはやされがちですが、なかなかに凝ったストーリーやワクワクする音楽もこのゲームの魅力。というわけで、今回は「ニッポンマラソンのストーリーとキャラクター」に焦点を当てて感想をお伝えしますよ。終盤のネタバレは完全シャットアウトで行きますが、「1ミリもネタバレしないでくれ頼む!」という人には向かないので、まだプレイしていない人はこれを機に買っちゃおう!私はNintendo Switch版を買いましたよ。

ニッポンマラソンの物語

ニッポンマラソンのストーリーモードは、4人の主人公がそれぞれの目標に向けてニッポンマラソンを勝ち進んでいく物語。プレイヤーは最初に4人の主人公から1人を選んで、そのキャラクターの視点から見た1つの大事件を目撃するぞ。

ちなみに、筆者はキャラ選択画面の左から順に ダーウィン→ニシボリ→ゼンベエ→スヌグル と攻略していくのがオススメと考える。

筆者は ダーウィン→スヌグル→ゼンベエ→ニシボリ の順で攻略したので、その順番で各キャラクターの個性豊かなお話について語っていこう。

J・ダーウィンの物語

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ニッポンマラソンを始めたら、まずはダーウィンのストーリーを遊ぶのがおすすめ。ダーウィンはワシワシ道路(兵庫のあたり?)にあるロブスター・ファームで暮らすロブスターで、ファームを離れて遠くへ出かけたことが一度もない。そのせいか彼は世間知らずで、勘違いニッポンに初めてやってきたプレイヤーと同じニッポン初体験なのだ。

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ダーウィンは観光ガイドを読むのが趣味で、知識だけでなら外界のことをよく知っているのだが、劇中では個性豊かな地域を訪れるたびに驚き楽しむダーウィンを見ることができる。そのさまはちょうど、現実の日本とはかけ離れた「勘違いニッポン」を旅して驚くプレイヤーに共感してくれるかのようで、プレイヤーのダーウィンへの好感度がどんどん上がっていくことは間違いない。

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ダーウィンには今は亡き「おじいさん」がいるのだが、おじいさんは今も彼を見守っていて、なんと手紙でアドバイスを送ってくれる。ダーウィンのおじいさんへの尊敬はなかなかのもので、かつ、おじいさんがダーウィンを正しい道へ導いてくれる。このストーリーは、ダーウィンのおじいさんへの好感度が上がるストーリーでもあるのだ。

劇中では「トリマーク」というSNSが流行っており、ダーウィンは主人公4人の中で一番最後にトリマークを始めるが、一番こっぴどく炎上する(そう、4人全員炎上する)。宿を取り囲む野次馬をおじいさんのアドバイスで切り抜けるくだりはこのストーリーの見どころのひとつだ。それにしても、このゲームの作者はツイッターの日本での流行りようを知っているようで、むしろそこに驚いた。あと、炎上したダーウィンの人気度がオイラーの等式によって求められるくだりも愉快だった。

スヌグル・マエストロの物語

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スヌグルは二足歩行の犬だ(ジャケットも着ている)。彼はしっかりとした自信を持っていて行動に迷わない性格で、自慢の嗅覚を活かせば紙に書かれた文章の内容まで嗅ぎ分ける。それでいて、一見関係のない事柄から他人のクセや性格を見抜く推理力がある。彼のストーリーをプレイすることで、そのリーダーシップとカリスマに憧れることになるだろう。

そう、ニッポンマラソンのストーリーは、彼の嗅覚や推理力が活きるミステリー活劇なのだ。主人公4人の物語は、それぞれが1つの物語を別の視点から見た話になっている。それ故に一度見たシーンを何度も見せられるのがたまにキズだが、圧倒的な世界観がそれを感じさせず何度も楽しませてくれる。

自分が2番手にスヌグルを選んだのは、ダーウィンがニシボリに初めて出会う時点でスヌグルとニシボリが既に知り合っていたからだ。スヌグルはダーウィンと対照的な行動家で、基本的にダーウィンとは異なる場所で活躍する。同じ話をなぞっているだけのはず物語はスヌグルの物語が挟まれることでより深みを増していた。

スヌグルはニッポンマラソン優勝の前に立ちはだかる謎に対して最も積極的に立ち向かう重要な人物だ(なので彼のストーリーのプレイ画像はネタバレすぎて載せられない)。マラソンでもミステリーでもゲームチェンジャーな彼の活躍は必見である。

ゼンベ“ゼンベ“の物語

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ゼンベエは女子高生の心を持つ80歳くらいのジジイで、それ故にセーラー服を着て生活している。セーラー服ジジイというストレートな見た目からは予想もつかないかもしれないが、4人の主人公の中で最も道に迷い、思い悩んでいる人物だ。

ゼンベエを3番手に選んだ筆者は、もう真新しい展開はないだろうと高を括っていたが、蓋を開けてみれば、このストーリーに巻き起こる事件の実行犯たちと初っ端から向き合う重要人物だった。「アルティメット・ランナーズ計画」へ参加するよう勧められ困惑する間にも、ゼンベエは「ニッポンマラソンの試合中の記憶がない」という自分自身の謎に苦しむことになる。

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ゼンベエ自身、仲間たちに悩みを打ち明けることもあるが、かなりあっさり話題を切り替え、ニッポンマラソンの旅を仲間たちと楽しみながら過ごしていく。ニッポンマラソンのストーリーは、ゼンベエや仲間たちの前向きな生き様のおかげで、複雑な世界観をゆったりとした気持ちで楽しむことができ、疲れた心で読むビジュアルノベルとして最適だといえるだろう。

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そしてゼンベエは、人気女子アナウンサーであるウェデイー・ジョーンズと深い関わりを持つことになる。他のキャラクターのストーリーでは語られないが、ゼンベエがウェデイーに「アルティメット・ランナーズ計画」のことを話すことをきっかけに、ニッポンマラソンの物語が大きく動き始めたのだ。そのワクワク感は、すでにほかの主人公のストーリーを攻略していたとしても衰えなかったと感じる。

エリザベス・ニシボリの物語

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ニシボリは、海洋生物学者を目指す女子大生。ニッポンマラソンの優勝賞金で、「イッカク(と病気の海洋生物)のための保護団体」の設立を目指している。イッカククジラのキバがついたパーカーを着ており、これを「ユニコーンのツノ」と呼ぶと怒り出す。

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友達ができると、ニシボリは皆を誘ってヨガをしたり、プリクラを撮ったり、居酒屋に行ったりなど、仲間たちとの親睦を進んで深めていくムードメーカーだ。特にゼンベエと知り合う場面では、セーラー服のジジイが公園で巻物を広げ「易経」を読んでいるところに「面白そうだね」と声をかけ仲良くなっていく。その器の広さが、まるでプレイヤー自身がニシボリと友達になったかのように感じさせてくれる。(もちろん、4人のどの主人公も友を愛する優しいキャラクターだけどね。)

ニシボリは大企業「サイバー・セキュリティー・スペース・テクノロジー社」の社長を父に持つお嬢様のはずなのだが、海洋生物の価値を尊重しない父・サトルや、そんな父の右腕のように働く姉・ヒデコと仲が悪い。そんなヒデコは実は「アルティメット・ランナーズ」にも関わりがあるようで、ニッポンマラソンの裏に巻き起こる事件はニシボリにとっても他人事ではないものだ。こういった複雑な事情を抱えながらも、自分の夢を迷いなく貫き通していくニシボリの姿が物語を盛り上げてくれる。

まとめ

4人の主人公すべてに言えることだが、みんな仲間への愛と、世界の平和に燃えている。そして野望のあるものはなによりもその夢に燃えている。そんなまっすぐな生き様が彼らの魅力だと言えるだろう。PVを見たときはただのイロモノだと思っていたが、友達になりたいゲームキャラクター暫定1位とすら思えてしまう。

筆者はこういった少人数の仲間たちでワイワイ冒険をする物語が好きで、久しぶりに素晴らしいストーリーに出会えた喜びを感じている。もし今ニッポンマラソンの世界に興味を持ったなら、ぜひプレイしてみてほしい!(そして君がTwitterで感想をつぶやき、私が読む!)

おまけ

番外編:ウェデイー・ジョーンズの生き様

ウェデイー・ジョーンズはニッポンを時めく人気女子アナウンサーだ。報道の際は青いぴっちりスーツを着て街行く人にインタビュー。マラソンの試合中ならジェットパックを背負って到来し、選手たちに意味不明なインタビューをする(そのくせに選手が意味不明な答えを返すと苦い返事をする)。

ウェデイー・ジョーンズは「アルティメット・ランナーズ計画」の真相にいち早く迫るもう1人の主人公ともいえる人物だが、ネタバレになるのでもっと別の魅力をお伝えしよう。

ウェデイー・ジョーンズの魅力はインタビューの勢いにある。「カワセミ最強のギャル、それがこの俺!」と(セリフだけ)勢いよく登場し、「周知の事実だよね?ね?もちろん、そうだろう。」と皆に同意を求める。ダーウィンたちに初めてインタビューするときの彼女のセリフも要チェックだ。筆者はダーウィンのインタビューがお気に入り(「以上、ゼエゼエ・ハアハア・ダーウィン選手でした!」)

また、ウェデイーが一般人にインタビューする際に現れる一般人「スーパーファン」も要チェック。妙に顔色の悪い彼は無名の一般人なのに猛烈にメディアに露出する。一体何者なんだ。

番外編2:サラとザラ

ニッポンマラソン情報を取り扱う放送社、ニッポン放送のスタジオでカメラマンを務める姉妹、それがサラとザラ。サラはハンサム・ハズキの大ファンで、ハズキの名前が話題に上がるだけで興奮して叫び出す。ザラはウェデイーの話題になると叫び出す。セリフのほとんどが叫び声だが、意外と出番が多いふたりなのだ。可愛いので話題にしてみました。

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